サントラ大全

1985 file 3

 

FRIGHT NIGHT

<邦題>フライト・ナイト <制作>

<配給>コロンビア

 

 

<収録曲>

A1 FRIGHT NIGHT/J.GEILS BAND

A2 YOU CAN’T HIDE FROM THE BEAST INSIDE/AUTOGRAPH

A3 GOOD MAN IN A BAD TIME/IAN HUNTER

A4 ROCK MYSELF TO SLEEP/APRIL WINE

A5 LET’S TALK/DEVO

 

B1 ARMIES OF THE NIGHT/SPARKS

B2 GIVE IT UP/EVELYN”CHAMPAGNE”KING (Bobby Caldwell)

B3 SAVE ME TONIGHT/WHITE SISTER

B4 BOPPIN’ TONIGHT/FABULOUS FONTAINES

B5 COME TO ME/BRAD FIEDEL

<監督>トム・ホランド

(「チャイルド・プレイ」−88,「痩せゆく男」−96)

<SFX総指揮>リチャード・エドランド

(「スター・ウォーズ」シリーズ,

「ゴーストバスターズ」−84)

<主演>

クリス・サランドン

(「狼たちの午後」−76,「リップスティック」−76)

ウィリアム・ラグズデール

(「フライト・ナイト2」−88)

アマンダ・ビアース

(TVシリーズ“MARRIED WITH CHILDREN”)

ロディ・マクドウェル

(「猿の惑星」シリーズ,

「ポセイドン・アドベンチャー」−72)

 

<音楽総指揮>ブラッド・フィーデル

(「ターミネーター」シリーズ,「トゥルー・ライズ」−94)

<上映時間>106分

<映画評>★★★★★★★★★★<満点>

<DVD化>入手可(2002年ついに発売!)

<サントラCD化>未定

<DVD>

<チラシ>

<パンフ>

<ストーリー>

ホラー番組「フライトナイト」の大ファンでもある高校生チャーリー(ラグズデール)は、ある夜、隣に引っ越してきたダンドリッジ(サランドン)と同居人が棺を家に運び込むのを目撃する。その翌日、チャーリーに隣の番地を訪ね入って行った娼婦が殺されたことを知り、愕然とする。隣人たちは美女の生血を吸い尽くすヴァンパイアだったのだ。警察からも本気にされず焦るチャーリーに、正体を知られたヴァンパイアの魔の手が迫る!恋人エイミー(ビアース)と親友エドに、「フライトナイト」の司会者ことヴァンパイア・キラーのピーター・ヴィンセント(マクドウェル)を説得して助けてもらうように頼んだ。チャーリーたちと史上最強のヴァンパイアとの壮絶なる死闘の幕が切って落とされた!

<解説>

85年度の全米興行収入ベスト10、日本でも年間配給収入19位にランクされた大ヒット作でもある。

80sらしいSFXを駆使したA級ホラー。ここまで緻密なSFXが導入されたのは、この手のヴァンパイア・ムービーでは初めてで、当時沈滞気味だったホラー映画界に活を入れると同時に、その後作られたホラー映画に多大なる影響を与えたのも事実だ。溶け落ちる男やヴァンパイアの最後のシーンなどは、間違いなく故伊丹十三監督の「スウィートホーム」の原案の一部になったと思う。

全編おどろおどろしいわけではなく、さらっとしたコメディタッチで描かれている。確かに目を覆いたくなるような過激なシーンもあるが、コメディタッチなシーンのほうが多いせいか、あっという間に時間が経ってしまうスピード感も心地よい。これは多分にマクドウェル演じるピーター・ヴィンセントの演技にあるだろう。彼はすでに故人になってしまったが、「猿の惑星」シリーズではコーネリアス役を見事に演じていた名優である。

それと設定自体がユニークだ。従来のヴァンパイアはどうしても中世中心に登場するが、この作品ではリアルな現代に登場させる。しかもサランドン演じるヴァンパイアの服装もお洒落で、ディスコに出没したりリンゴまで食べるといった設定だ。このクリス・サランドンという俳優、変態役が多いが、個人的には好きなタイプの役者である。

 

サントラのほうだが、これほどジャンル関係なく個性的なメンバーが集まったのも珍しいだろう。タイトル曲の担当はピーター・ウルフ不在のJ.ガイルズではあるが、J.ガイルズらしいユニークな曲で、この映画にはピッタリきていると思う。他にも、エイプリル・ワイン、スパークス兄弟やイヴリン姉御などあまりサントラに参加しないアーティストたちが楽曲提供しているあたりも聴きものだろう。

そしてアルバムラストの曲は、この映画のスコア全体も担当したブラッド・フィーデル自らがボーカルをとった逸品だ。「ターミネーター」シリーズなどのキャメロン作品には必ず起用されるという売れっ子スコアラーでもある彼のボーカルもなかなかのものだった。映画の中でも、誘拐されたエイミーがヴァンパイアに噛まれるという重要なシーンにフィーチャーされた。