|
T
TRANSVISION VAMP
wendyjames.nu (会員制ギャラリー必見!)
ハード産業ロックとユーロビートに支配されるままに活気を失っていた80s後半、私の脳天に雷を落としたような衝撃を与えたグループがあった。それがこのトランスヴィジョン・ヴァンプである。60sロックンロールと70sグラムをベースにした、パンクともN/Wともとれるニュートラルな彼らのサウンド・アプローチは、70s後半の「ポスト・パンク」ムーブメントに活躍したブロンディの影響を強く受けていた事には間違いはないだろう。ただ、デボラとウェンディを比べてみると、どこかニュアンスの違うカリスマ性をそれぞれに感じてしまう。どこがどう違うのかということは筆舌には尽くしがたいので、ご容赦願うこととする。ひとつだけいえるのは、私にとっての80sのUKミュージックシーンは、デボラに始まりウェンディで〆ったということか。
ウェンディは元来養女としてもらわれてきたためか、ややひねくれた青春時代を送ったそうだ。実際、ドメステッィク・バイオレンスの犠牲にもなったらしい。16歳で家出、大学に通いながらロンドン・ブライトン街にある地下クラブで歌っていたところ、ニックに一目惚れされる。この2人によって85年に結成され、86年にはMCAと契約に至った。デビューにあたり他の3名をメンバーに加え、当時絶頂だったS/A/Wからのプロデュース申し入れを蹴って87年後半に全英メジャーデビュー。 ウェンディの愛らしいセックスアピールをもって積極的にメディアに露出、マスコミにも「ブリジット・バルドーの再来」だの「英国製マドンナ」などともてはやされ、ご存知のとおりの大ブレイク。90年前後にデビューした全英の新人グループの中では、ピカイチのチャートセールスをあげた。89年には来日を果たし、衝撃のライブ・パフォーマンスを披露、日本でも人気を獲得した。しかし91年、サードアルバムについてメンバーの意見が割れてギクシャクし始め、リリース後に電撃解散している。この問題のサードアルバムについては、ロック色が薄れハウス色が濃くなっており、正直私自身ガッカリしたものだ。
その後ウェンディは、93年にエルビス・コステロを迎えたアルバムでソロデビューするも、グループ時代ほどの人気は獲得できなかった。近況については彼女のオフィシャルサイトのQ&Aを参照願いたい。ニックは消息不明、デイヴはBUSHというグランジ系グループに加入して現在に至っている。丸刈りにランニングシャツでドラムを叩きまくる姿に「たま」のドラマーを連想してしまう、メンバー中最も個性的なプレイが目立っていたテックスは、解散直後にMAXというグループを結成するも95年にソロデビューしている。(詳しくは彼のオフィシャルサイトを参照) <written by ERIRIN兄 2002.11.16.> (91) LITTLE MAGNETS VS. THE BUBBLE (91) MIXES <WENDY solo> (93) NOW AIN’T THE TIME FOR YOUR TEARS
blanch…BUSH, MAX |
DISCOGRAPHY
ALBUMとSINGLEの売上成績です。(UK/RECORD MILLER, US/BILLBOARD CHARTより)
POP ART (1988)
|
|
COMPLETE 12” ERS (1989)
|
REVOLUTIONARY BABY (ERECTRA-GLIDE MIX)/ VID KID VAMP/TELL THAT GIRL TO SHUT UP (EXT.MIX)/ TELL THAT GIRL TO SHUT UP (KNUCKLE DUSTER MIX)/ GOD SAVE THE ROYALTIES/ I WANT YOUR LOVE (I DON’T WANT YOUR MONEY MIX)/ SWEET THING/EVOLUTIONEVIES (ELECTRIC V.)/ HONEY HONEY/LONG LONELY WEEKEND/ SISTER MOON (GROOVE ON)/WALK ON BY/ SEX KICK (CIAO PORTOBELLO)/OH YEAH/
88年にリリースされたマキシシングルからのAB面を集めたコンピ。ヒットナンバーのリミックスたちもいいんですが、B面収録曲たちのほうがインパクトあります! |
VELVETEEN (1989)
|
BABY I DON’T CARE/THE ONLY ONE/ LANDSLIDE OF LOVE/FALLING FOR A GOLDMINE/ DOWN ON YOU/SONG TO THE TEARS/ KISS THEIR SONS/BORN TO BE SOLD/ PAY THE GHOSTS/BAD VALENTINE/VELVETEEN/
ウェンディの絶叫から始まる、ドライブ感あふれる名盤。パンキーな中にも、卓越したメロディセンスが感じられます。ジャケ写のウェンディがなんとも妖艶な感じがして、これまたグッド!
|
オススメBEST CD
BABY I DON’T CARE;COLLECTION (2002)
|
I WANT YOUR LOVE/BA Y I DON’T CARE/ TELL THAT GIRL TO SHUT UP/REVOLUTIONARY BABY/ SISTER MOON/(I JUST WANNA) BE WITH YOU/ THE ONLY ONE/LANDSLIDE OF LOVE/ IF LOOKS COULD KILL/KISS THEIR SONS/ EVERY LITTLE THING/BAD VALENTINE/VELVETEEN/ BORN TO BE SOLD/REVOLUTIONARY BABY (12”)/ TELL THAT GIRL TO SHUT UP (12”)/ BABY I DON’T CARE (12”)/
通産3枚のアルバムからバランスの良いセレクションです。大ヒットした3曲のリミックスも収録されており、ヴァンプ・フリークにとっては必携の1枚! |
前のページに戻りたい時はブラウザの「戻る」ボタンを押して戻ってくだされ